妊娠10か月(36週以降)に入ると、いよいよ「臨月」。出産まであと少しというこの時期、赤ちゃんとの対面を心待ちにしながらも、体調の変化や不安を感じる人も多いでしょう。
臨月は、体も心もデリケートになる時期。赤ちゃんの安全はもちろん、自分自身の健康を守るためにも、無理のない生活を心がけることが大切です。
今回は、臨月を安全・快適に過ごすために、特に意識しておきたい「5つの注意点」をご紹介します。
1. 【無理な外出や遠出は控える】
臨月に入ると、赤ちゃんがいつ生まれてもおかしくない時期になります。特に正産期(37週〜41週)に入ると、前兆なしに陣痛や破水が始まるケースも。外出中に出産が始まってしまうと、対応が遅れる可能性もあるため、なるべく自宅近くで過ごすことが安心です。
おすすめの過ごし方:
-
買い物はなるべくネット通販や家族の協力を活用
-
外出する場合は、母子手帳・保険証・診察券を常に携帯
-
車で30分以内に病院へ行ける範囲を目安に行動する
POINT:
「まだ大丈夫」と思っても、出産は突然始まることも。移動手段と病院までのルートを再確認しておきましょう。
2. 【お腹の張りや体調の変化をこまめにチェック】
臨月になると、お腹の張りが増えたり、痛みを感じやすくなったりします。軽い張りであれば心配はいりませんが、頻繁な張りや出血、強い痛みがある場合は要注意。
妊娠高血圧症候群や切迫早産、胎盤早期剥離など、母体や赤ちゃんに影響を及ぼすリスクもあるため、少しでも異変を感じたら迷わず病院へ連絡を。
気をつけたい症状:
-
1時間に何度もお腹が張る
-
出血がある、または破水のような感覚がある
-
頭痛・目のチカチカ・むくみがひどい(妊娠高血圧の兆候)
POINT:
我慢せず、いつでも連絡できるように病院の電話番号はスマホに登録しておくのがおすすめです。
3. 【出産の準備は“早め&最小限”で整えておく】
出産は予定日どおりに進むとは限りません。出産が早まったり、急に入院が必要になったりすることもあります。入院バッグや赤ちゃん用品の準備は、36週までに一通り済ませておくと安心です。
また、準備する際は“必要最低限”を意識することも大切。特に入院時は、荷物が多すぎると移動や管理が大変になるため、産院の指示を元に効率よくまとめましょう。
準備リストの一例:
-
入院バッグ(母子手帳、パジャマ、下着、充電器など)
-
赤ちゃん用品(肌着、おくるみ、オムツ少量など)
-
書類や診察券などの必要書類一式
POINT:
いざという時に焦らないために、パートナーとも共有しておくと◎。
4. 【無理な運動や掃除は避け、体を労わる】
「早く産まれるように」と、臨月に入ると運動を頑張る人もいますが、無理は禁物。長時間の散歩や激しい家事は、逆に体を痛める原因にもなります。
軽いストレッチや室内でのスクワットなど、医師に相談しながら無理のない範囲で行うのが基本。家事も「きれいにしなきゃ」と思い詰めず、手を抜けるところは抜いて、周囲に頼ることが大切です。
おすすめの体の使い方:
-
散歩は15〜30分以内を目安に
-
床掃除などの中腰姿勢は避ける
-
「お腹が張ったらすぐ休む」を意識する
POINT:
今は“がんばる時期”ではなく“備える時期”。体の声に耳を傾けましょう。
5. 【メンタルケアも大切に】
臨月は、身体の不調だけでなく「出産が怖い」「赤ちゃんにちゃんと会えるかな」といった不安や緊張を抱えやすい時期でもあります。とくに夜に不安が強まる人も多いもの。
そんな時は、気持ちを紙に書き出したり、出産経験のある人に話を聞いたりすることで、少しずつ気持ちが楽になることもあります。パートナーや家族ともこまめに気持ちを共有しましょう。
メンタルケアのヒント:
-
不安や疑問は健診時に助産師さんに相談
-
音楽やアロマでリラックス時間を作る
-
SNSなどでの情報の取りすぎに注意(不安が増すことも)
POINT:
「完璧なママにならなきゃ」と思わず、まずは“自分自身を大切に”を意識して。
まとめ|赤ちゃんとの対面まで、あと少し
臨月は、赤ちゃんとの新しい生活のスタート直前の特別な時間。体調や気持ちに寄り添いながら、無理せず、穏やかに過ごすことが何より大切です。
出産が近づくにつれ、不安や緊張もあると思いますが、それ以上に楽しみや希望もたくさん詰まっています。自分のペースを大切に、1日1日を丁寧に過ごしていきましょう。
すべてのママと赤ちゃんが、健やかな出産を迎えられますように。